カエルの寿命は何年?種類別の平均とペットとして長生きさせる飼育のコツ
2025.12.19 ペット供養ペットとして飼育されることも多いカエルの寿命が何年なのかは、種類によって大きく異なります。
野生環境と比べて、適切な飼育下では病気や天敵のリスクが少ないため、長生きする傾向にあります。
カエルを長く健康に育てるためには、種類ごとの平均寿命を把握し、その生態に合った環境を整えることが不可欠です。
この記事では、代表的なカエルの寿命や、長生きさせるための飼育のコツについて解説します。
※野生のカエルを無断で採集・飼育することは、地域の条例や法律に抵触する場合があります。飼育する場合は、必ず適法に流通している個体を選びましょう。
目次
種類で大きく違う!代表的なカエルの平均寿命
カエルの寿命は、種類や個体差、飼育環境によって大きく変動します。
小型で活発な種類の平均寿命が数年であるのに対し、大型で動きの少ない種類は10年以上の長寿になることも珍しくありません。
ペットとして人気のあるカエルの平均的な寿命を知ることは、生涯にわたって飼育するための計画を立てる上で重要です。
ここでは、代表的なカエルの平均寿命を紹介します。
身近なニホンアマガエルの寿命は5〜8年
ニホンアマガエルは、日本の水田や草むらなど、私たちの身近な場所でよく見かけるカエルです。
野生下では天敵に捕食されたり、厳しい冬を越せなかったりするため寿命は短いですが、飼育下では5年から8年ほど生きることが知られています。
中には10年以上生きた記録もあり、適切な環境で飼育すれば長く付き合える種類です。
雨が降ると活発に鳴き声をあげる姿が特徴的で、日本の気候にも適応しているため、初心者でも比較的飼育しやすいアマガエルと言えます。
ペットとして人気のイエアメガエルの寿命は10〜15年
イエアメガエルは、おっとりとした性格と飼育のしやすさからペットとして絶大な人気を誇る樹上性のカエルです。
鮮やかな緑色や青みがかった体色が美しく、成長すると10cmを超える大きさに育ちます。
寿命は非常に長く、平均して10年から15年、中には20年以上生きた個体も報告されています。
丈夫で環境の変化にも比較的強いですが、長生きさせるためには高さのあるケージや適切な温度管理が欠かせません。
10年以上にわたり、その愛らしい姿で飼い主を楽しませてくれます。
ずんぐり体型がかわいいツノガエルの寿命は6〜10年
その名の通り目の上に角のような突起があるツノガエルは、ずんぐりとした体型と大きな口が特徴的なカエルです。
特にベルツノガエルやクランウェルツノガエルが人気で、豊富なカラーバリエーションも魅力の一つです。
ほとんど動かずにエサを待ち伏せする習性があるため、広い飼育スペースを必要としません。
寿命は6年から10年ほどですが、飼育環境が良ければ15年近く生きることもあります。
オタマジャクシは「タピオカガエル」とも呼ばれ、その姿から成体になるまでの変化も楽しめます。
大型のニホンヒキガエルの寿命は10年以上
ニホンヒキガエルは、日本に生息する大型のヒキガエルで、その大きい体と皮膚のイボが特徴です。
「イボガエル」とも呼ばれ、動きは比較的緩慢ですが、飼育下では非常によく慣れます。
野生下でも比較的長生きですが、飼育環境では10年以上生きることが一般的で、中には15年を超える長寿の記録もあります。
ただし、危険を感じると耳の後ろにある腺から毒液を分泌するため、触った後は必ず手を洗う必要があります。
その堂々とした姿は、長く飼育するほどに愛着が湧く存在です。
知っておきたい!カエルの寿命を縮めてしまう主な原因
カエルの寿命は、飼育環境に大きく左右されます。
野生のカエルは天敵や気候変動、食料不足など過酷な環境で生きていますが、飼育下ではこれらのリスクはありません。
その代わりに、不適切な飼育環境が原因で病気になったり、ストレスで弱ったりすることが寿命を縮める主な要因となります。
野生の環境とは異なる飼育下特有の原因を理解し、それらを避けることがカエルの長生きにつながります。
感染症やカエルツボカビ症などの病気
カエルの命を脅かす病気は、寿命を著しく縮める最大の原因の一つです。
特に「カエルツボカビ症」は致死率が非常に高く、世界中の両生類を脅かしている深刻な真菌症です。
一度感染すると治療は極めて困難で、衰弱して死に至ることが多いです。
また、不衛生な環境では細菌が繁殖しやすく、皮膚から感染して「レッドレッグ病」などを引き起こします。
ストレスや栄養不足で体力が弱ったカエルは、こうした感染症にかかりやすくなるため、日頃からの健康管理が重要になります。
不衛生な飼育環境による中毒や皮膚トラブル
カエルは皮膚呼吸を行い、皮膚を通して水分を吸収するという非常にデリケートな体を持っています。
そのため、飼育環境の衛生状態は健康に直結します。
排泄物やエサの食べ残しを放置すると、水質が悪化し、アンモニアなどの有害物質が発生して中毒の原因となります。
水場が汚れたままの状態は、まるで沼のようになり、有害な細菌の温床にもなります。
これが皮膚病や感染症を引き起こし、カエルの体力を奪っていくため、ケージや水場を常に清潔に保つことが寿命を延ばす基本です。
エサの与えすぎや栄養不足
食事管理の失敗も、カエルの寿命を縮める大きな要因です。
ツノガエルやフクラガエルのように食欲旺盛な種類は、与えられるだけエサを食べてしまい、肥満になりやすい傾向があります。
肥満は内臓に負担をかけ、様々な病気の引き金となります。
一方で、コオロギなど単一のエサだけを与え続けると栄養が偏り、特にカルシウム不足から骨が変形する「くる病」などを発症することがあります。
エサの量と栄養バランスの両方に気を配ることが、カエルの健康維持には不可欠です。
冬眠の失敗や急激な温度変化による衰弱
カエルは変温動物であり、周囲の温度に体温が左右されるため、温度管理は非常に重要です。
日本のカエルのように本来冬眠する種類でも、飼育下での冬眠は管理が難しく、十分な栄養を蓄えられていない個体はそのまま死んでしまうリスクが伴います。
また、冬眠させない場合でも、ヒーターの故障やエアコンの風が直接当たるなどして急激な温度変化が起こると、カエルは大きなストレスを感じて体調を崩します。
年間を通して安定した温度環境を維持することが、衰弱を防ぐ上で大切です。
見逃さないで!カエルが示す体調不良のサイン
カエルは体の不調を言葉で訴えることができないため、飼育者が日々の観察を通じて些細な変化に気づいてあげることが非常に重要です。
普段と違う様子を見たのは、病気の初期サインである可能性も考えられます。
食欲、動き、フンの状態など、これから紹介するポイントを毎日チェックすることで、病気の早期発見につながり、迅速な対応が可能になります。
カエルの命を守るためには、注意深い観察が欠かせません。
エサを食べなくなる・吐き戻してしまう
健康なカエルは旺盛な食欲を持っていますが、突然エサを食べなくなるのは体調不良の代表的なサインです。
消化不良や内臓疾患、ストレス、飼育温度が低すぎるなど、様々な原因が考えられます。
また、一度食べたエサを消化できずに吐き戻してしまう場合も、消化器官に問題があるか、エサが大きすぎて体に負担がかかっている可能性があります。
口の中に怪我をしていて食べられないケースも考えられるため、食欲不振が続く場合は原因を慎重に探る必要があります。
ケージの隅でじっとして動かない
普段は活発に動き回る種類のカエルが、ケージの隅で長時間うずくまって動かない場合、何らかの異常を抱えている可能性があります。
夜行性のカエルであっても、活動すべき時間帯にシェルターから全く出てこなかったり、明らかに元気がなかったりするのは注意すべきサインです。
特に、このような状態が長い期間続くのであれば、病気や衰弱がかなり進行していることも考えられます。
飼育環境に問題がないか再確認するとともに、状態が改善しない場合は専門家への相談も必要です。
フンの状態がいつもと違う
カエルのフンは健康状態を示す重要なバロメーターです。
毎日の世話の際にフンの状態を確認する習慣をつけることで内臓の異常を早期に発見できます。
健康なカエルのフンはある程度固まっていますが、液状の下痢便や未消化のエサがそのまま排出されている場合は消化不良や寄生虫感染の疑いがあります。
また長期間にわたってフンが見られない場合は便秘も考えられます。
フンの色や形、量に異常がないか日頃からチェックし、変化があれば給餌内容や環境を見直すことが大切です。
お腹が異常に膨らんでいる
カエルのお腹が、単なる食べ過ぎとは明らかに違うレベルで風船のように膨らんでいる場合、重篤な病気の可能性があります。
この症状は、腹部に水が溜まる「腹水症」や、消化管にガスが溜まる「鼓腸症」などが原因で起こります。
これらは細菌感染や内臓疾患のサインであることが多く、放置すれば命に関わります。
特に体の小さいカエルにとっては、症状の進行が早い場合もあります。
異常な膨らみを発見した際は、様子を見ずに、すぐにカエルを診察できる動物病院へ連れて行くべきです。
今日からできる!カエルを長生きさせる飼育のコツ
カエルをペットとして長生きさせるためには、その種類が本来生息している自然環境を可能な限り再現することが基本です。
カエルを飼うということは、その命を預かることであり、日々の丁寧な世話が健康寿命に直結します。
温度や湿度の管理から、ケージ内の清掃、栄養バランスの取れた食事、ストレスの軽減まで、飼い主ができることは数多くあります。
正しい知識を身につけ、愛情を持って接することが、カエルとの長い暮らしにつながります。
種類に合った温度と湿度を適切に管理する
カエルは変温動物であるため、生息地に応じた適切な温度と湿度を維持することが健康の基本です。
熱帯原産のカエルにはパネルヒーターなどを用いて保温し、逆に日本のカエルには夏の高温対策が必要になることがあります。
また、カエルの皮膚は乾燥に非常に弱く、脱水症状を引き起こす原因となるため、定期的な霧吹きなどで湿度を保たなくてはなりません。
種類ごとに最適な温湿度を調べ、それを一年中安定して保つことが、寿命が長いカエルを育てる上での大前提となります。
ケージ内と水場を常に清潔に保つ
カエルは皮膚から水分を吸収するため、汚れた水は病気の直接的な原因となります。
水場の水はできるだけ毎日交換し、常に新鮮な状態を保つことが理想です。
また、フンやエサの食べ残しは雑菌やカビの温床となるため、見つけ次第速やかに取り除きます。
床材に土やマットを使用している場合も、定期的に掃除や交換を行い、ケージ全体を衛生的に維持する必要があります。
清潔な環境は、カエルを皮膚病や感染症から守り、健康で長生きさせるための重要な要素です。
栄養バランスを考えたエサを適量与える
カエルの健康を維持するためには、栄養バランスの取れた食事を適切な量で与えることが不可欠です。
主食となるコオロギなどの活き餌だけではカルシウムが不足しがちなので、専用のカルシウム剤やビタミン剤をエサに振りかける「ダスティング」を行いましょう。
これにより、骨の病気などを予防できます。
また、食欲旺盛な種類でも、与えすぎは肥満や内臓疾患の原因となります。
何年も健康に過ごしてもらうためには、そのカエルの種類や成長段階に合わせた給餌スケジュールを守ることが重要です。
隠れ家を用意してストレスを軽減させる
野生のカエルは敵から身を隠したり、乾燥から身を守ったりするために物陰で過ごす時間が長いです。
飼育下においても、常に開けた場所にいることはカエルにとって大きなストレスとなります。
そのため、ケージ内に流木やコルクバーク、市販のシェルターなどを設置し、カエルが安心して隠れられる場所を作ってあげることが大切です。
落ち着ける隠れ家があるのはカエルの精神的な安定につながり、ストレスによる免疫力の低下を防ぐ効果が期待できます。
これは結果的に病気の予防にもなります。
まとめ
カエルの寿命は種類によって様々ですが、飼育下での寿命を大きく左右するのは飼育環境です。
そのカエルが本来暮らしている自然環境を理解し、適切な温度・湿度、清潔な水場、栄養バランスの取れた食事、そしてストレスの少ない空間を提供することが、長生きの秘訣と言えます。
日々の観察を怠らず、体調の小さな変化に気づいて迅速に対応することも重要です。
カエルと長い時間を共にするために必要なのは、正しい知識と愛情のこもった世話であり、これらがカエルの健康を守ることに繋がります。
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