犬の分離不安の症状と対策法

2020.9.10 ペット供養
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分離不安症という不安障害をご存知でしょうか?

留守番中に吠え続ける、粗相を繰り返すなどが代表的な症状ですが、それらをしているからといって一概に分離不安とは言えません。

今回は、犬の分離不安症の症状となりやすい犬の特長、対策法についてご紹介します。

分離不安症になるのはワンちゃんだけでなく、人間にも起こるため特殊な病気ではなく、一般的に起こる可能性があるものと考え、しっかり対策していくことが重要です。

 

目次

1.犬の分離不安症の症状

犬の分離不安症とは、安心できる人や場所から離れることで不安を感じ、様々な問題行動をとってしまう不安障害のことです。

特に多い問題行動としては、「吠え・粗相・物の破壊」がありますが、これらの行動はたいくつやしつけ不足によってみられるものでもあるため、判別が難しいかもしれません。

実際に犬が分離不安症を起こしているか判断するには、これらの問題行動を「飼い主がいない時だけ行っているか?」という観点で確認することが大切です。

分離不安症による問題行動は、飼い主が外出してから30分以内に行われることが多く、数時間以上経過した後での行動は、分離不安が原因でない可能性も十分に考えられます。

正確な判断は獣医師に任せるべきですが、簡単なチェック項目を下記にまとめましたので、留守番カメラなどを設置して愛犬の様子をチェックし、分離不安に関連した行動がないか確かめてみるのもいいでしょう。

【外出後30分以内の行動】

  • 吠え続ける
  • 部屋の中を荒らす、物を壊す
  • べーシング(同じ場所を同じ速度で歩き回る)を行う
  • 外に出ようとする
  • トイレ以外の場所で排泄をする
  • 下痢や嘔吐をする
  • 自傷行動を行う

【帰宅後の行動】

  • 過度に興奮する
  • 失禁する
  • 常について回る
  • 目の届かない場所(お風呂やトイレなど)に行くとパニックを起こす

 

2.分離不安症の5つの対策法

分離不安症の対策には様々な方法がありますが、大切なのは「犬の性格に適した対策を選ぶこと」です。犬の性格に合わない対策法は、かえって犬の問題行動を助長してしまう可能性があるため、十分に注意してください。

また、分離不安症の対策の多くは予防であるため、すでに重度の分離不安症を発症している場合は、できるだけ早く獣医師に相談するようにしましょう。

①.在宅中も1人の時間を作る

在宅中は意図的に犬と離れ、それぞれ別行動をとる時間を設けましょう。

人間と同じように、犬も成長すると独立心が芽生えてくるものですが、常に犬をかまうことで親離れができなくなり分離不安症になる可能性があります。

②.楽しい場所や時間を用意する

留守番中も、「楽しい」と犬が思えるような環境を用意しましょう。

ケージの中でおやつをあげる、特別なおもちゃを用意するなど、犬にとって安心できる環境づくりを行うことで、犬は自主的に不安を紛らわすことができます。

また、寂しさから犬が吠えたり、粗相をすることもありますが、かまわないようにすることも大切です。(かまってしまうと、それらの行動を取れば飼い主が来てくれると学んでしまう恐れがあります。)

③.留守番することが普通の状態を作る

飼い主の外出を「特別なもの」と思わせないような環境を作りも重要です。外出時や帰宅時に声をかけたり、申し訳ない表情・素振りをする必要はありません。

一緒に出掛けないことや、日中飼い主が留守にすることは普通だと認識することが、愛犬にとっても幸せです。

④.過度なスキンシップは避ける

留守番前後はもちろん、日常生活でも過度なスキンシップは避け、常に犬を気にかけることのないようにしましょう。

遊びやコミュニケーションをとる時間はしっかりと設けつつ、ほどよい距離感を持って犬と接してください。

帰宅時など、犬が過度に興奮している時はあえて冷たく接し、犬が落ち着いてからコミュニケーションをとると良いでしょう。

⑤.留守中の粗相は怒らない

留守番中に犬が粗相をしてしまっても決して怒らず、粗相した場所は淡々と掃除します。

叱ったり、強く注意したりすると、犬の不安感を高めてしまう可能性があるため、注意してください。

 

3.分離不安障害の原因

分離不安症は、「飼い主がいなくなることへの不安」が原因で起こります。

犬が不安を感じるきっかけとしては、以下のようなものが挙げられます。

寂しい思いをした

「飼い主が数日留守にした」「別部屋や屋外に放置され、かまってもらえない日が続いた」など、寂しい・不安な経験は、分離不安に繋がります。

本来、犬は群れで生活する動物のため、飼い主とコミュニケーションがとれない環境は不安であり、精神的に不安定になる可能性があります。

怖い思いをした

留守番中に怖い思いをしたことで、飼い主がいない状況を過度に恐れるようになるかもしれません。

雷や大雨などの自然災害や極度な空腹感など、身の危険を感じるような経験をした場合、犬は分離不安症を引き起こすことがあります。

生活環境が変わった

引っ越しや飼い主の変更など、生活環境の変化によって犬が不安定になり、分離不安を起こすこともあります。

また、「出産などで家族が増えた」「同居人(他のペットを含む)との離別」など、家族構成の変化によっても分離不安症は起こりえます。

コミュニケーション不足

運動や遊びの機会が少なく、お互いに信頼関係ができていない状態も、犬の分離不安症に繋がります。

適切なコミュニケーションの量については個体差がありますが、お互いの生活を尊重しあって接することが大切です。

 

4.分離不安症になりやすい犬の特長

犬の性格はそれぞれですが、飼い主への依存心が強い犬は分離不安症になりやすいといわれています。

そのため、自分の時間を楽しむことが少なく、人が大好きで常について回るようなワンちゃんの場合は、意図的に距離をとらなければ分離不安症になる可能性が高いといえるでしょう。

ただ、在宅時間が長くなるなど飼い主のライフスタイルが変化すると、もともと飼い主への依存度が強くない犬であっても、分離不安症になる可能性が高まるため注意が必要です。

犬の性格や現在のライフスタイルに合わせて、コミュニケーションをとる時間や、犬の視界に入る時間・入らない時間などをしっかりと決め、犬が自立できる環境を整えてあげましょう。

 

5.まとめ

犬は社会性豊かな動物のため、環境や接し方次第では分離不安症を起こす可能性があります。

もし、愛犬に気になる行動や症状がみられたら、できるだけ早く動物病院に相談し、適切な対策をとるようにしましょう。

留守番中も愛犬が不安なく過ごせるように、色々と気を配ってあげてくださいね。

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タグ : 分離不安
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