ミドリガメの平均寿命は何年?ペットとして長生きさせる飼い方
2025.12.23 亀ミドリガメは、ペットとして非常に人気がありますが、実はとても長生きする亀です。
その平均寿命は長く、飼い主の人生に寄り添うパートナーとなり得ます。
しかし、その寿命を全うさせるためには、適切な飼育環境や日々の世話が不可欠です。
この記事では、ミドリガメの平均寿命や、ペットとして健康に長生きしてもらうための飼育方法のポイント、注意すべき病気などについて詳しく解説します。
目次
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の平均寿命は20~40年
ミドリガメの正式名称はミシシッピアカミミガメといい、亀の仲間の中でも長寿な種類として知られています。
飼育下での寿命は長く、適切な環境で飼育すれば20年以上生きることも珍しくなく、最長クラスでは40年ほど生きる例も報告されています。
ただし、この年数はあくまで目安であり、飼育環境の質や個体差によって変動します。
長い年月を共に過ごす可能性があることを理解したうえで飼育を始めることが重要です。
飼育下と野生下で寿命の長さに違いがある
ミドリガメの寿命は、飼育下と野生下で傾向が異なります。
野生下では、天敵や厳しい気候変動、食料の不安定さ、事故や病気などの要因で寿命が短くなりやすいと考えられます。
一方、飼育下では外敵に襲われる心配がなく、安定した食事と適切な温度管理、体調不良時に治療を受けられる環境を整えやすいため、長生きしやすい傾向にあります。
丁寧な飼育を心がけることが、寿命を延ばすための鍵となります。
ミドリガメの年齢を人間の年齢に換算すると何歳?
ミドリガメの年齢を人間の年齢に正確に換算する公式な方法はありませんが、成長の過程からおおよその目安を考えることはできます。
一般的に、孵化して1年で人間の幼児期に近いイメージ、性成熟を迎える5~8歳頃には人間でいう思春期から成人にあたると説明されることがあります。
その後は成体として緩やかに歳を重ねていくイメージです。
この換算はあくまで目安であり、個体差や飼育環境によって成長の速度は変わります。
長寿になり得る生き物だからこそ「最長」にこだわりすぎない
ミドリガメは長寿になり得る生き物ですが、「最高寿命」を断定するのは難しいのが実情です。
大切なのは、日々の飼育環境と健康管理によって寿命が左右される点です。
飼育環境(温度・水質・日光浴)と食事管理、病気の早期発見を積み重ねることが、結果的に長寿につながります。
ミドリガメに長生きしてもらうための飼い方の5つのポイント
ミドリガメに一日でも長く健康でいてもらうためには、日々の飼育方法が非常に重要です。
寿命を延ばすのは、特別なことではなく、基本的な飼育のポイントを丁寧に実践することに他なりません。
適切な飼育環境の維持、清潔な水の管理、健康な甲羅を作るための日光浴、バランスの取れた食事、そしてストレスのない生活は、ミドリガメの健康を支える上で欠かせない要素です。
ここでは、その5つの具体的なポイントについて解説します。
ポイント1:適切な水温と温度を維持できる飼育環境を整える
ミドリガメの健康を維持するためには、成長に合わせた飼育環境が不可欠です。
子亀のうちは小さな水槽でも飼育できますが、成体になると甲羅の大きさが大きくなるため、最終的には90cm以上の大型水槽が必要になることがあります。
水槽のサイズは、亀が自由に泳ぎ回れるよう、体長に対して十分な余裕があるものを用意するのが理想的です。
また、変温動物であるミドリガメにとって温度管理は重要であり、水中ヒーターで水温を23~28℃に保つようにします。
さらに、体温調節と甲羅の乾燥ができる陸地を設置し、そこをバスキングライトで温めて、亀自身が体温をコントロールできる環境を整えましょう。
ポイント2:病気を防ぐために水槽の水を清潔に保つ
ミドリガメは生活の大半を水中で過ごし、食事も排泄も水中でおこなうため、水槽の水は非常に汚れやすいです。
水質が悪化すると、雑菌が繁殖しやすくなり、皮膚病や甲羅の病気、感染症などを引き起こす直接的な原因となります。
これを防ぐためには、定期的な水換えが欠かせません。
ろ過フィルターを設置していても、定期的に水を交換し、常に清潔な水を保つことが大切です。
特に夏場は水温が上がり、水が傷みやすくなるため、より注意して管理しましょう。
ポイント3:健康な甲羅の成長に欠かせない日光浴をさせる
日光浴はミドリガメの健康維持に不可欠な習慣です。
日光に含まれる紫外線(UVB)を浴びることで、体内でビタミンD3を合成し、食物から摂取したカルシウムの吸収を助けます。
これは、硬く健康な甲羅や骨を形成するために極めて重要です。
屋外で安全な場所を確保して直接日光浴をさせるのが理想ですが、難しい場合は屋内で紫外線ライトやバスキングライトを使用して代用します。
ライトは陸地の一部に照射し、亀が自分で好きな時に体を温めたり、涼んだりできるよう、日陰になる場所も作っておくことが大切です。
窓ガラス越しの日光では紫外線が大きく減るため、基本的にライトで補う方が確実です。
ポイント4:栄養バランスが考えられた餌を適切な頻度で与える
ミドリガメの健康と長寿のためには、栄養バランスの取れた食事が重要です。
主食には、ビタミンやカルシウムなど、亀に必要な栄養素が総合的に配合された市販の専用フードを与えるのが基本となります。
餌を与える頻度は、成長段階によって調整が必要です。
成長期である子亀のうちは頻度を高め、成長が落ち着いた成体には与えすぎを避けて肥満を防ぎます。
副食を取り入れる場合も、主食のバランスを崩さない範囲で調整しましょう。
ポイント5:ストレスを与えないように過度に触るのを避ける
ミドリガメは見た目がかわいいですが、犬や猫のように触れられて喜ぶ生き物ではありません。
過度に触ったり、頻繁に水槽から出したりすることは、亀にとって大きなストレスとなり、食欲不振や免疫力の低下を引き起こす可能性があります。
健康チェックや水換えなど、必要な世話の時以外はそっと見守る姿勢が大切になります。
亀が安心して暮らせる環境を提供することが、ストレスを軽減し、健康を維持する上で重要です。
寿命を縮めないために!ミドリガメの健康状態をチェックする方法
ミドリガメは本来、体調の悪さを隠すことがあります。
そのため、飼い主が異変に気づいた時には、すでに病気が進行しているケースもあり得ます。
寿命を全うしてもらうためには、日々の世話の中で意識的に健康状態をチェックし、病気のサインを早期に発見することが重要です。
甲羅や皮膚の状態、食欲、動きの様子など、普段との違いに気づけるよう観察のポイントを把握しておきましょう。
甲羅や皮膚に異常がないか日頃から観察する
ミドリガメの健康状態は、甲羅や皮膚に現れやすいです。
健康な亀の甲羅は適度な硬さがあり、欠けや変色が目立ちません。
もし甲羅が柔らかくなっていたり、部分的に白や赤っぽくなっていたり、あるいは剥がれかけていたりする場合は注意が必要です。
また、皮膚に白い斑点や綿のようなものが付着している場合や、腫れ・ただれがある場合も異常のサインとなり得ます。
水換えの際などに、手足の付け根や首周りも含めてチェックする習慣をつけましょう。
食欲や動きの変化から体調不良のサインを読み取る
普段の食欲や行動との比較は、体調不良を発見する重要な手がかりとなります。
急に食べなくなった場合は、水温など環境要因の影響もありますが、病気が隠れている可能性も考えられます。
動きが明らかに鈍い、水底に沈んだままであまり動かない、逆にずっと陸地にいて水に入ろうとしないといった行動も異常のサインです。
目の腫れ、口呼吸のような動き、鼻水などが見られる場合は早めに受診を検討しましょう。
ミドリガメが注意したい代表的な病気
ミドリガメがかかりやすい病気は、不適切な飼育環境が原因で起こることが多いです。
不衛生な水質による皮膚病や甲羅のトラブル、日光浴不足によるカルシウム吸収障害などは代表例です。
また、栄養バランスの偏りや急な温度変化で体調を崩すこともあります。
疑わしい症状が見られたら、できるだけ早く爬虫類を診察できる動物病院に相談することが重要です。
ミドリガメの寿命を延ばすために知っておきたいこと
ミドリガメの健康と長寿のためには、日々の飼育における基本ポイントを押さえることが大前提です。
それに加え、生態に関する知識を持つことで、より適切な判断ができるようになります。
特に「冬眠」を飼育下で行うべきか、また長寿ゆえに飼育を最後まで継続できるかは、飼育前から考えておきたいテーマです。
冬眠はさせた方がいい?冬眠のリスクと準備
野生のミドリガメは冬に活動が落ちることがありますが、家庭で飼育している場合、必ずしも冬眠させる必要はありません。
むしろ、管理が不十分なまま冬眠させると、体力不足などで命に関わるリスクが高まります。
冬眠を試みる場合は、事前の健康チェックや環境準備など専門的な管理が必要です。
不安がある場合は、ヒーター等で水温を安定させて冬眠させない飼育を選ぶ方が安全です。
寿命が尽きる前に飼えなくなる問題も知っておこう
ミドリガメは長寿になり得るため、飼い主のライフプランを慎重に考える必要があります。
成長に伴い飼育スペースが大きくなり、機材の更新や維持も必要になります。
また、ミドリガメ(アカミミガメ)は2023年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定され、池や川に放したり逃がしたりすることは法律で禁止され、罰則の対象となります。
さらに、販売・購入や不特定多数への頒布も規制対象です。
最後まで責任を持って飼育できる体制を整えることが重要です。
まとめ
ミドリガメの寿命は長く、飼育環境によっては20年以上、最長クラスでは40年ほど生きる例もあります。
長生きのためには、成長に合わせた適切な大きさの水槽、清潔な水質管理、健康な甲羅を維持するための日光浴、栄養バランスの取れた食事、そして過度な接触を避けてストレスを与えないことなど、日々の基本的な飼育が重要です。
また、病気の兆候にいち早く気づくための健康観察も欠かせません。
長寿であるからこそ、将来を見据えた長期的な視点と、生涯にわたって飼育を続ける責任が求められます。
なお、ミドリガメ(アカミミガメ)は「条件付特定外来生物」であり、野外に放すことは法律で禁止されています。最後まで適切に飼育しましょう。
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