クサガメの平均寿命は何年?ペットとして長生きさせる飼育のコツ
2025.12.23 亀クサガメの平均寿命は15年~30年ほどですが、飼育環境を整えることで40年以上生きることもあり、非常に長寿の亀です。
ペットとしてお迎えしたクサガメにできるだけ長生きしてもらうためには、その生態を理解し、適切な飼育を行うことが不可欠です。
この記事では、クサガメの寿命を延ばすための具体的な飼育方法や、長寿を目指す上でのポイントを解説します。
目次
クサガメの平均寿命は15年~30年が目安
クサガメの平均寿命は一般的に15年~30年が目安とされています。
しかし、これはあくまで平均的な数字であり、飼育環境や個体差によって大きく変動するのが実情です。
適切な環境で健康的に飼育された場合、40年以上生きる長寿の個体も珍しくありません。
他の種類の亀の寿命と比較しても、クサガメは比較的長く生きる部類に入ります。
ペットとして迎える際には、長期間にわたって世話をする覚悟が必要です。
野生と飼育下で寿命に差が出る理由
クサガメの寿命は、野生と飼育下で大きな差が見られます。
野生の環境は、天敵からの捕食リスク、厳しい気候変動、食料の不安定な確保、事故や病気など、生命を脅かす多くの危険に満ちています。
これらの要因により、野生のクサガメが天寿を全うすることは難しいのが現実です。
一方、飼育下では、外敵から守られた安全な環境が提供されます。
栄養バランスの取れた食事を安定して得られるうえ、ヒーターによる温度管理で快適な環境を維持できます。
病気や怪我の際には獣医師による治療も受けられるため、野生下に比べて格段に長生きしやすいのです。
クサガメを長生きさせる飼育環境の整え方
クサガメを健康に長生きさせるためには、彼らが本来生息する自然環境に近い状態を再現することが重要です。
ストレスを最小限に抑え、快適に過ごせる住まいを提供することが長寿の秘訣となります。
具体的には、成長に合わせた水槽のサイズ選び、清潔な水質の維持、健康な甲羅を育むための日光浴、そして活動を支える適切な温度管理が欠かせません。
これらの要素を整えることで、病気を予防し、クサガメが健やかに暮らせる基盤を築きます。
成長に合わせて水槽のサイズアップが必要
クサガメを飼育する上で、成長に合わせた水槽の大きさを用意することは非常に重要です。
購入したばかりの子ガメは甲長5cm程度と小さいですが、成体になるとオスは甲長20cm、メスは30cm近くまで成長します。
そのため、最終的には幅90cm以上の大型水槽が必要になることを見越しておかなければなりません。
狭い水槽での飼育は、運動不足による肥満やストレスの原因となり、健康を損ねる可能性があります。
また、水量が少ないと水質も悪化しやすくなります。
クサガメが十分に動き回れるスペースを確保するため、成長段階に応じて適切な大きさの水槽へサイズアップしていくことが、長期的な健康維持につながります。
清潔な水質を保つための水換えの頻度
クサガメは生活の大半を水中で過ごし、食事や排泄も水中でおこなうため、飼育水は非常に汚れやすいです。
水質が悪化すると、雑菌が繁殖し、皮膚病や甲羅の病気、感染症などを引き起こす原因となります。
健康を維持するためには、定期的な水換えが不可欠です。
水換えの頻度は、季節やフィルターの有無によっても異なりますが、夏場など水が汚れやすい時期は2〜3日に1回、冬場は1週間に1回程度を目安に、少なくとも半分以上の水を交換することが望ましいです。
ろ過フィルターを設置すると水質を維持しやすくなりますが、それに頼り切らず、こまめな水換えで清潔な環境を保つことが大切です。
甲羅の健康に欠かせない日光浴とライトの設置
クサガメの健康維持において、日光浴は極めて重要な役割を果たします。
日光に含まれる紫外線(UVB)を浴びることで、体内でビタミンD3を合成し、食物から摂取したカルシウムの吸収を促進します。
これは、丈夫で健康な甲羅を形成するために不可欠なプロセスです。
また、日光浴には体を温めて新陳代謝を活発にする効果や、甲羅を乾燥させて細菌やカビの繁殖を防ぐ殺菌効果もあります。
屋外で安全に日光浴をさせることが難しい場合は、屋内でも同様の効果が得られるように、紫外線ライト(UVBライト)と、体を温めるためのバスキングライトの両方を設置する必要があります。
これらの設備は、クサガメを病気から守り、長生きさせるために欠かせません。
活動を支える水温管理とヒーターの重要性
クサガメは自分で体温を調節できない変温動物であるため、周囲の温度が彼らの活動性や健康状態に直接影響します。
クサガメが活発に動き、食べたものを正常に消化・吸収するためには、水温を23℃から28℃の範囲に保つことが理想的です。
特に、気温が下がる秋から春にかけては、水温が低下しすぎると食欲不振や消化不良を引き起こし、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。
これを防ぐためには、観賞魚用の水中ヒーターを設置し、年間を通して水温を一定に保つことが重要です。
適切な水温管理は、クサガメが一年中健康で快適に過ごすための基本であり、寿命を延ばす上で欠かせない要素となります。
寿命を延ばすための食事の与え方
クサガメの健康と寿命は、毎日の食事に大きく左右されます。
野生のクサガメは雑食性で様々なものを食べますが、飼育下では栄養バランスが偏らないように注意が必要です。
長寿を目指すためには、栄養学的に優れた市販の配合飼料を主食とし、副食やおやつは補助的に与えるのが基本です。
また、人間用の食べ物など、クサガメにとって有害なものを与えないことも重要です。
ここでは、健康的な食生活を送るための食事の与え方を詳しく見ていきましょう。
栄養バランスが考えられた市販の配合飼料を主食に
クサガメの健康を長期的に維持するためには、市販されている亀専用の配合飼料を主食として与えるのが最も簡単で確実な方法です。
これらのフードは、クサガメの成長や健康維持に必要なビタミン、ミネラル、カルシウムなどの栄養素がバランス良く含まれるように設計されています。
特に、甲羅の健全な発達に欠かせないカルシウムやビタミンD3が強化されている製品が多く、栄養管理が容易になります。
子ガメ用、成体用など、成長段階に合わせて粒の大きさや栄養成分が調整されたフードも販売されているため、飼育しているクサガメの年齢やサイズに適したものを選びましょう。
栄養バランスの取れた主食は、丈夫な体を作るための基礎となります。
おやつは与えすぎ注意!副食の選び方
配合飼料を主食としつつ、時々副食を与えることは、食事の多様性を広げ、クサガメの食欲を刺激する上で効果的です。
副食としては、乾燥エビやイトミミズ、メダカのような小魚などが市販されており、これらはタンパク質やカルシウムの良い供給源となります。ただし、これらのおやつは嗜好性が非常に高いため、与えすぎると主食の配合飼料を食べなくなり栄養が偏る原因になりかねません。また、乾燥エビはリンの含有量が多いため、与えすぎはカルシウムの吸収を阻害する可能性もあります。副食を与える頻度は週に1〜2回程度に留め、あくまで主食の補助として少量与えるように心がけることが大切です。
人間の食べ物はNG!クサガメに与えてはいけないもの
クサガメの健康を著しく害する可能性があるため、人間用の食べ物は絶対に与えてはいけません。
パンやご飯、菓子類、チーズなどの加工食品は、クサガメにとって塩分、糖分、脂肪分が過剰であり、消化器系に大きな負担をかけ、内臓疾患や肥満の原因となります。
また、ネギ類やアボカドのように、クサガメにとって中毒症状を引き起こす有害な成分を含む野菜や果物も存在します。
ほうれん草のようにアクの強い野菜も、結石の原因となるシュウ酸を多く含むため避けるべきです。
飼い主の食事を欲しがるような素振りを見せても、クサガメの健康と長寿のためには、専用の餌以外のものを安易に与えないというルールを徹底することが重要です。
クサガメがかかりやすい病気と予防法
適切な飼育環境を整えていても、クサガメは様々な病気にかかる可能性があります。
長生きのためには、病気を未然に防ぐ予防策と、万が一発症した際の早期発見・早期治療が鍵となります。
特に、不衛生な環境や栄養の偏り、ストレスは免疫力を低下させ、病気を引き起こす大きな要因です。
日頃からクサガメの様子をよく観察し、普段と違うサインにいち早く気づくことが重要です。
ここでは、クサガメがかかりやすい代表的な病気とその予防法について解説します。
甲羅が柔らかくなる?病気のサインを見逃さない
日々の観察で病気のサインを早期に発見することが、クサガメの健康を守る上で非常に重要です。
例えば、甲羅が柔らかくなったり、ブヨブヨとした感触になったりするのは、カルシウム不足や日光浴不足による「くる病」の代表的な症状です。
また、目が腫れて開かなくなる、頻繁に口を開けて苦しそうに呼吸する、鼻水を出すといった症状は、肺炎などの呼吸器系疾患の疑いがあります。
皮膚に白い綿のようなものが付着している場合は、水質の悪化が原因で起こる水カビ病(真菌症)かもしれません。
その他、食欲が極端に落ちる、元気がなくじっとしている、水に浮いたまま沈めないといった行動の変化も、体調不良を示す重要なサインです。
ストレスを減らして病気を未然に防ぐ
クサガメの病気を予防する上で最も効果的なのは、ストレスの少ない環境を整え、免疫力を高く保つことです。
ストレスは、狭すぎる飼育スペース、汚れた水、不適切な水温、騒々しい場所、隠れ家の不足など、様々な要因によって引き起こされます。
特に、水質の悪化は皮膚病や感染症に直結するため、こまめな水換えは欠かせません。
また、安心して休息できる陸地やシェルターを設置し、静かな場所に水槽を置くことも大切です。
頻繁に触ったり、無理に水槽から出したりする過度な干渉も大きなストレスとなります。
クサガメが安心して暮らせる快適な環境を維持することが、病気を未然に防ぎ、健康長寿を実現するための基本となります。
冬眠は寿命に関わる?安全な冬眠のさせ方と注意点
野生のクサガメは冬になると冬眠しますが、飼育下での冬眠は専門的な知識と管理が必要で、大きなリスクを伴います。
適切に管理された冬眠は、自然なライフサイクルを尊重し、長寿につながる可能性も指摘されていますが、準備不足や管理ミスはクサガメの命を奪うことになりかねません。
体力のない個体や病気の個体を冬眠させることは非常に危険です。
ここでは、安全な冬眠のさせ方と、リスクを避けて冬眠させずに冬を越す方法について解説します。
冬眠に失敗しないための健康チェック
飼育下のクサガメを安全に冬眠させるためには、冬眠に入る前の健康状態の確認が最も重要です。
冬眠は数ヶ月間絶食状態で過ごすため、体内に蓄えた栄養だけで生命を維持しなければならず、非常に体力を消耗します。
そのため、痩せている個体、成長途中の子ガメ、病気や怪我をしている個体、高齢の個体などは、冬眠を乗り切る体力がなく、そのまま死に至る危険性が極めて高いです。
冬眠前には、体重が十分にあり、餌をしっかり食べているか、甲羅や皮膚、目、鼻などに異常がないかを厳しくチェックする必要があります。
少しでも健康状態に不安がある場合は、その年の冬眠は見送るという判断が不可欠です。
室内で冬眠させずに冬を越す方法
冬眠の管理に不安がある場合や、クサガメの健康状態が万全でない場合は、冬眠させずに冬を越させる「加温飼育」が最も安全で確実な方法です。
飼育下では、必ずしも冬眠をさせる必要はありません。
加温飼育とは、水中に観賞魚用のオートヒーターを設置し、年間を通して水温を25℃前後に保つ管理方法です。
バスキングライトも併用し、陸地の温度も適切に保ちます。
この環境下では、クサガメは冬でも活動が鈍ることなく、通常通り食欲を維持し、元気に活動を続けます。
冬眠失敗による死亡リスクを完全に回避できるため、特に飼育初心者の方や、安全を最優先したい場合には、この加温飼育での越冬が強く推奨されます。
もしもの時…クサガメが死ぬ前に見せる兆候
残念ながら、クサガメとの別れの時はいつか訪れます。
老衰や病気の悪化により死が近づくと、いくつかの特徴的な兆候が現れることがあります。
最も顕著なのは、食欲が完全になくなり、大好物を見せても全く反応しなくなることです。
同時に、活動量が著しく低下し、ぐったりとしてほとんど動かなくなります。
首や手足に力が入らず、だらりと伸ばしたままになったり、まぶたを閉じたまま開けなくなったりする様子も見られます。
また、呼吸が浅く弱々しくなり、水中にいる場合は不自然に浮いたままになったり、逆に水底に沈んだまま動かなくなったりすることもあります。
これらのサインは、生命活動を維持する体力が限界に近づいていることを示している可能性が高いです。
まとめ
クサガメの寿命は飼育方法によって大きく変わり、適切な環境であれば40年以上の長寿も期待できる亀です。
子ガメは「ゼニガメ」として売られていることも多く、成長するとオスよりメスの方が大きくなる特徴があります。
日本に生息するニオイガメやイシガメといった他の亀と比較しても、クサガメは長生きする種類と言えます。
ギネスブックに載るような最長の記録を持つわけではありませんが、基本的な飼育方法を守り、愛情を持って接することで、非常に長い時間を共に過ごせるパートナーになります。
日々の観察を怠らず、健康管理に努めることが、愛亀との豊かな生活につながります。
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